アバター

「中渕は一見、ひょうきんに見えますが日本有数のSEです。あの行動は人に警戒を与えないように計算されたものようにいつも思ってました。
中渕がサーバーの中にわからないようにウイルスを隠しているのなら。調べるのに数年はかかるでしょう。操作した時だけウイルスを入れられると痕跡は残りません。そして調査にはサーバーを停止しなければなりません。室長か長官の命令が無い限り無理です。それには、証拠が必要です」

「中渕はずば抜けて頭がいいと言うことですね。決して証拠を残さない。警察庁のサーバー内を調査するには結局証拠が必要なのですね」
磯山の目が獲物を見つけた豹のように鋭くなった。


「うー。中渕が犯人ですか、そんな事があるのですか。いつも小林と冗談を言っていた中渕がいとも簡単に小林を殺した。私も何回も襲われた。ちきしょう!」
石井も中渕が犯人に見えてきた。

「だけど確かな証拠は一切ありません。
必ず犯罪者はミスって証拠を残します。それが携帯電話だったのでしょう。それを完璧に隠蔽した」
磯山が言う。


石井が頭を抱えて、頭の中を整理している。