アバター

磯山は額に汗をにじませて資料のページをめくりながら丹念に調べている。
いたいけな中学生を殺人鬼に変える鬼畜な犯人を許すことができないのだ。

石井は、「すぐに戻ってきます」と言って会議室を出た。

部屋の外のSAT隊員に石井は、「すぐ戻る」と言って地下に行った。

石井は朝からほとんで食事を取っていない。磯山も同じだ。

石井は、地下のコンビニでお茶と小さな弁当を二セット買って、会議室に戻った。

磯山は、ドアが開く音で、石井の帰りを知った。

「先生、少しだけ休憩しません」

磯山は、資料を1ページづつ見落としがないように丹念に見ている。磯山が石井の方を見た。
石井がお茶を持ち上げて「どうぞ」と少し微笑んだ。

磯山が、無言で立ち上がり、石井と向き合うようにテーブルに座った。

「先生どうぞ」

石井が弁当とお茶を差し出した。

「ありがとう」

磯山はまだ真剣な顔を崩さない。

小さな弁当を開けた。
「あまり食欲ないけど、食べとかないと……」磯山はゆっくりと弁当を食べ出した。

「先生、資料をみて犯人像は現れてきました?」