アバター

指令車両の奥から石井が両手で拳銃を構えて現れる。

「どうした!携帯は持ってなかったはずだ!」

「分かりません」

石井は先頭車両をくまなく調べた。

サイバー対策室の直通の受話器を上げた。中渕が出るのを待った。中々でない。

≪中渕です≫

「隊員一人が怪物になった!携帯は持ってなかった。相手は新たな方法で攻撃を仕掛けてきている」

≪新たな攻撃とは?≫

「車載のパソコンが壊されていた。たぶん、メールで本人のアバターが送信されたと思う。全警察、自衛隊、政府機関にメールの受信の注意警報を出せ。長官に伝えろ!」

≪分かりました。今度はメールですか。室長と一緒に、長官に報告します。主任ちょっと待ってください。何か情報が入りました。………≫

「分かった」