アバター

鮎の頼みは絶対だ。間違った事なんか一度も言ったことはないし、命をかけて鮎の頼みを受けるのだ。

電車を降りると、暗証番号方式のコインロッカーから、コロコロバックを取り出し上野駅方面に歩きだした。

「ドンキーで綺麗なお皿を買いましょう」
鮎が言った。

そう言えば先週、皿を割ってしまった事を思い出した。

しばらく歩くとドンキーコングの看板が見えてきた。
仁美は鮎と雑貨屋に入った。

食器売り場を探して、綺麗な皿を鮎と選んでいた時、突然木村が現れた。それも大量の汗を流しながら顔が引きつっていた。

「どうしたの？」

「仁美！テロリストに狙われている。この店はテロリストだらけだ。助けてくれー！」

鮎が、
「テロリストがこの店を占拠しているのよ。戦いましょう」

「何も武器がないよ」

「カバンの中に、拳銃が入っている。引き金を引くだけで、テロリストは死ぬ。両手でしっかり持って狙うのよ」

仁美はカバンの中からレーザー照準付きの大きな拳銃を取り出して、側にいる客に狙いをつけた。

「そう、光を相手に当てて引き金を引くのよ。撃って！」

パン！パン！

腕に反動があったが、簡単に客に扮したテロリストは倒れた。