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中渕からの情報が刻々と液晶画面に流れる。
《斎藤容疑者。上神田五丁目8……。ディスカウントストアーのドンキーコングに入った》

「まずいなぁ。ディスカウントストアーは大勢の人がごったがえしている」
石井が小川隊長に言った。

「参考人の身柄確保が優先と思いますが、我々が安全に客を避難させます。テロ犯は駅など雑踏の中で行動します。十分訓練は積んでます。客誘導と身柄拘束の2班に別れます」

「小川隊長、身柄拘束が最優先ですのでよろしくお願いします」

「了解」

液晶画面に、
《秋葉原署、刑事六名、店内で斎藤容疑者を監視。斎藤参考人店内雑貨コーナー》

石井が直通電話を上げた。中渕がすぐに出た。

《中渕です》

「秋葉原署の責任者につなげ!」

《分かりました》

すぐに、
《秋葉原署の松尾です》

「石井です。斎藤は非常に危険です。我々が行くまで監視だけをお願いします」

《どうみても。普通のOLですけど。身柄確保しましょうか?》

「危険ですからやめて下さい。我々が身柄確保時に客の安全を確保してください。五分ほどで到着します」

《了解》