アバター

「事件は知っているでしょう。警察庁まで攻撃を受けたのです。急を要します」

「朝のニュースで見ましたので知ってます。それでアバサイトが何をしたと?」

「全ての加害者が、アバサイトにログインしています。そちらが作っているアバターを使って、催眠術を加害者に掛けていることが分かりました。協力していただけなければ、裁判所から礼状を取って、サーバーを没収します。よろしいですか?」
石井は半分脅しで言った。

社長は腕組みをして、
「当社は、何もやましい事はしておりません。システムを停止しなければ、ご自由にご覧下さい。前回と同じように捜査には協力します」

「それは、ありがとう御座います」

「それではサーバーを見せてください」

社長と牧村が、サーバー室に案内してくれた。

冷房が効いた部屋に、サーバーの盤が5台並んでいる。メンテナンス用の端末が、5台あり3人のSEが作業をしている。