アバター

「いいえ。協力していただけなければ、強制捜査に切り換えます」

牧村は、物々しい登場で機先を制された。

「どのような内容で……」

「サーバーの全てを見せてください」

「全てですか?」

「そうです」

「社長に聞かないと、私の一存では」

「では、社長に聞いてください」

「はい」

牧村部長は逃げるように、部屋を出た。

社長がすぐに現れた。

「困ります。こんなことをされては」

前回、挨拶をしただけの田代社長がドアを開けるなり言った。