アバター

石井は縫ったつま先をつけずにかかとを地面につけ、杖をついてぎこちなく歩いている。会議室のドアを開けた。

磯山医師、中渕と石井の下につく4名の刑事が待っていた。

「お待たせしました」

「何とか歩けるみたいですね」
中渕が言う。

磯山は心配そうに、その足を見ている。

石井は椅子に座った。

「先生、申し訳ありません。事件に巻き込んでしまって」

「いえ。犯罪の実体験ができまして、いい経験になります」

「早速ですが、資料をご覧頂いたと思います。今、犯人は何もしてきていません。どうしているんでしょう?」

石井が磯山の瞳を見つめる。