アバター

「よし、分かった。頼んだぞ。俺は準備をする」

石井は、右足先の感覚が無くなった。医務官が傷口を縫っている。

部屋の外でザワザワと声が聞える。

中渕が医務室に入ってきた。その後に磯山医師と警護の機動隊員が入ってきた。

磯山は、ジーパンにTシャツと言ったラフな格好をしている。髪も艶のあるストレートヘアーで束ねられていない。長い足が際立つ、とても医師とは思うことはできない。

「主任、磯山医師が、どうしても主任と会いたいと言ってきました」

「大丈夫ですか?」

縫っている足を見て、磯山が心配して言った。

「なんとか、そちらは大丈夫ですか?」

石井は天使が登場したかのように微笑んだ。