私は女性である。性格はそのへんの男の子と対して変わらない。そして、女の子が苦手である。目が合っただけでも恥ずかしくなるし、男の子と話している方が楽だ。前世は男だったに違いない。
私には双子の弟がいる。そのへんの女の子よりも可愛い。私より女子力が高いし、もはや男の子ではない。遥という名前がとても似合っている。
遥は見た目は男の子でも、心は女の子なのである。
それを知ったのは中学3年生のとき。
初めて家族会議というものをしたのだ。
ついでに私の悩みも打ち明けてみた。
「僕、良いこと思いついちゃったよ」
遥がふふふと笑いながら考えをいった。
「高校生になったら僕とゆーちゃんの性別逆って事にしちゃえばいいんだよ!」
ちなみにゆーちゃんとは私のことである。
高校からは父の仕事で他県に行くことになる。他県なら元の性別知る人もいないわけだし、アリである。
「どーお?」
上目使いで首を傾げないでくれ。私たちは首を縦に降ることしかできなかった。