その声で呼ばないで







「おい、ナツ!」


耳元で叫ばれたかと思うと。


「あた!!」


私の狭いおでこに激痛が走った。

爪の硬い表面でおでこを弾かれた衝撃。犯人は間違えなく永希だ。

今ので脳細胞、いや ”デコ細胞” が500万個死んだわ…!



「おいおい、話ちゃんと聞いてなかったろ?」


「なにすんのよ」



私と永希が口を開いたのはほぼ同時で、お互いの言葉が重なる。


陽向さんのことを考えていたからかテンションが上がらず、いつもより冷静に返事を返すことができた。



「え、デコピン…?」


「ああ、ごめんなさい。考え事してて聞いてなかったわ」