「なっ……なっ!なっっ!」 自分の締りのないにやけた表情を見られてしまった羞恥で顔を真っ赤にさせ、なにも言えないまま、口をパクパクと動かす。 橘 永希!神出鬼没! なんなのもう!人の背後から勝手に出てこないでよ! 馬鹿!馬鹿!バーカ! 脳内ではこんなにもペラペラと話せるのにリアルでは全く話せない。 だからまだパクパク、パクパクと。 池の鯉に変身したままでいる。