そんな私に君は小馬鹿にしたように言う。 「おかしくねぇよ。五十音順だろう?」 「え…?!」 「お前の苗字あ行じゃん。…馬鹿」 馬鹿って、そんな…! 「なにを……!」 そこでなにも言えなくなった。 自分の制服姿を笑われたことよりも、 クラス表の順番が生年月日順じゃなくて五十音順だったことよりも、 馬鹿って言われたことよりも、 君が私の名前を知っていたことの方が、ショックだったから。