チュンチュンチュン


(目覚ましがなる前に起きちゃった)

考え事をしていたら寝るのも惜しくなるのかな?

とか考えて支度して家を出た。



教室に着き、席に着くと紗江もタイミングよく教室に入ってきた。

「文香、おはよう!」

私もおはようと返し、HRまで話をしていた。

紗江は同じクラスに彼氏がいると言う。

大石圭二、中学の時危ないところを助けられたんだって。

夢みたいな出会いだなと、私は羨ましく聞いていた。

「文香はさ、好きな人いないの?」

突然の質問に何も答えられなかった。

ただ、頭の中に井上春人が浮かんだのは言わない事にした。

(しかも、まだ全然あの人こと知らないしね!)

と、考えていると肩を叩かれた。

(誰だろ…?)

振り返るとそこには

「昨日の!覚えてる?」

「あっ!井上春人!」

何とそこには、井上春人がニヤニヤ笑いながら立っていた。