「相世話になった」
 迎えた汪魚、流澪に清青は言う。二人ともあまり見かけは変わらないが、やはり年は重ねて居るのだろう。

 清青を取り囲む水が僅かに震えている。清青はこの月日で力を抑える術を体得したが、それでも躯の内に留まらずに外へ漏れてしまうものもある。

「清青、」
 流澪が呼び止める。清青は歩みを止め、向き直った。流澪は逡巡したような顔をし、小さく頷いて続けた。

「氷魚様を、見舞って欲しい……」