《そうか、清青は……》
「はい」

 滝の裏、いつか清青と語り合った場所で、氷魚、黒鳴、深山は言葉を交わす。

「水の世界か。氷魚殿、ありがとう。清青を救ってくれて」
「いえ、私は……」
 氷魚の目に涙が浮かぶ。

「清青様があんな罰を受けることとなってしまったのは、全て私の所為……私が、決められた方の前で、清青様の唇に……」
 顔を伏せ、堪えきれずに涙を流す。小袖の下から、細い二本の脚が覗いている。

「それなのに、私は、族長の妹というだけで一切罰を受けないのです……なんという理不尽。悪いのは私です、私が罰せられるべきなのに」