空は、碧く澄み渡っていた。
「椎名ー!!」
遠くから、私を呼ぶ声が聞こえる。
振り向くと、奴が走ってきてた。
「何?」
「何?じゃないだろ、ほらお前が言ってた烏龍茶。」
そう言って私にペットボトルの烏龍茶を差し出す。
「………ありがと。」
「どーいたしまして。」
ここは学校の屋上。
校舎が一つにまとまっているから、無駄に広い。
私の隣で、りんごジュースをラッパ飲みしているのは、
隣の席の如月葉月。
いや、男なんだけど、
生まれた時にあまりにも女の子みたいにか細く泣くから、
お母さんに一瞬女の子と間違われた、って、奴は言ってた。