「ちょっと待ってよ!」


美少年は私の腕を掴んで、私の動きを止めた。

その瞬間、後ろに引っ張られて、今まで感じたことのない温もりを感じた。


抱き締められたのだ。


背の小さい私。


男の人の肩にすっぽり収まって、男の人だと感じた。


鼓動が高鳴る。


だって、初めてなの、こんなの。

「ごめん。好き。」

海斗は私の肩に顔を埋めてそう言った。


今日、初めて話したのに。


私は玲奈の友達なのに。

あの時の玲奈の顔が頭を過った。


だけど、振り払えない自分がいたんだ。


玲奈が羨ましかった。
だから、玲奈が好意を抱いてる相手に告白され、満更でもない自分がいる。


性格の悪い私。


でも、こんな気持ち初めてだよ。