翌日。


彼からの電話で目が覚める。


「もしもし。」

「ごめん。寝てた。これから、学校なんだけど、体調平気?とりあえず、今はまだなにも言えないけど。親に相談してみるから。」

「うん。わかった。」

私の気持ちは沈んでいた。

産んで!なんて言ってくれるわけないって分かってたから。


その後、両親を含め話し合いをすることになった。


私の両親と、彼の母親。

彼は片親だった。


私の母は、あなたが産みたいなら産みなさい、ただそう言ってくれた。

父は猛反対。


彼の母親も猛反対していた。


そんな中で話し合いが行われたのだ。


なんの話し合いだろう。

話すことなんてないでしょ。

どうせ、堕ろせって言われるんだ。



それでおしまいじゃん。



「この子はこれから大学にも行って、いい仕事に就かせてあげたいんです。千乃ちゃん、ごめんね。おろしてほしい。」


彼の母親に言われた時に、涙がこぼれ落ちた。


彼はなにも言わなかった。

ただ、黙って俯いてるだけだった。


結局、堕ろす方向で話が進められ、手術代は彼が負担する事になった。