初恋は雪に包まれて



結局、プレゼントは買えず終いだった。

あのコーヒーショップでの一件で完全に思考がそっちにもっていかれてしまったのだ。

こんな気持ちでは良いものなんて選べない、と駅まで来たわけだが。


「人身事故……。」

肝心の電車が人身事故で見合せになっているらしい。

ホームには人が溢れかえっていた。市内でも一、二を争うほどの大きな駅は、一つの路線が止まってしまうだけで信じられないほどの人が足止めをくらってしまう。


「どうしようかな……。」

家まで歩けないこともない。きっと、一時間弱で着くはずだ。だけどもう日も暮れ、真っ暗な道を一人で歩くことを思うと少し躊躇する。

……さて、どうしようか。

歩くか、待つか。そんなことを考えていると、不意に肩に何かが触れた。

何かじゃない、人の手だ。それに気付きそちらへ振り返る。


「えっ、……伊東くん。」

「びっくりした。小山がいたから。」

「わ、私も……。」