簡単な片付けを終えると、スタッフルームへ向かう。何人かのスタッフと挨拶を交わし、そのまま更衣室へと進む。
「私も思ったの。」
「そうなんだ、まぁ私の位置から見ても好き好きオーラ出まくりだったしね。」
「す、好き好き……。」
それって、私も出てないのかな。大丈夫かな。もし出てたら恥ずかしすぎるんだけど。
「っていうかさぁ、いきなり現れたね。」
「うん?」
制服を脱ぎながら、何が現れたのだろうと考える。
既に私服へと着替えが済んだ彼女は、ロッカーの扉に備え付けてある鏡を見ながらメイクを直している。
そして最後に、ローズピンクのグロスを綺麗に塗り直すと、勢いよくこちらを振り返る。
「何ってそりゃあ、」
恋のライバル?
そう可愛らしく首を傾げる夕ちゃん。
ライバルって。しかも、恋のライバルなんて!
「ゆっ、夕ちゃん。」
「負けるなよ、日和。」
「えぇぇ……。」
恋のライバル、とやらが出現したようだ。
……果たして、どうなるんでしょうか。