「淳ちゃん!」
聞こえたのは、可愛らしい女の子の声だった。
それを耳にすると隣に立つ彼は、勢いよく振り返る。
「……楓。」
「淳ちゃん、久しぶり!今からお昼?」
そうだけど、と答える彼に、彼女はニコニコと笑顔を返す。
思わず触ったみたくなるようなふわふわのパーマがかかったショートカットの髪は、派手すぎないショコラブラウンに染められている。
真っ赤なダッフルコートにベージュのショートパンツ、更にアーガイル柄のタイツを合わせている彼女は、とても可愛らしい。
そんな彼女が私たちに気付いたのは数秒後で、はっとしたようにこちらを見る。
「あっ、私伊東楓っていいます。」
ペコリと頭を下げる彼女につられて頭を下げる。
「コイツ俺のいとこなんだ。」
「あっ、だから同じ名字……。」
……なるほど。
どうやら話を聞けば、伊東くんのお父さんの弟さんの娘、ということらしい。
「もう小さいころから私たちも兄妹みたいなものなんですよ。ね?淳ちゃん。」

