初恋は雪に包まれて



先輩の男性スタッフなどと話をするところは何度も見かけたことがあるけど、女の人と話をしているところはなかなか見かけない。

だからなんとなく、彼が夕ちゃんと普通に会話をしていることが不思議だったけど。

元々夕ちゃんは同期だろうと先輩だろうと、分け隔てなく接するタイプだ。

きっと相手が伊東くんだろうと誰だろうとこんな感じだから、特に違和感は無いのだろう。



自然な形で合流し、四人でクリニックを目指す。

夕ちゃんのとなりにアルバイトの男の子、そしてその後ろに伊東くんと私が並ぶ。


「岸本さんたちはもうご飯食べられたんですか?」

「そうだけど、……っていうかよく私の名前知ってたわね。」

夕ちゃんのその言葉に、そりゃあ、と彼は続ける。

「岸本さん、有名ですもん。調剤薬局の女王様だって。」


さらりとそんなことを吐き出す彼に、伊東くんの口が緩やかにカーブしたのがわかった。

それとは反対に、夕ちゃんは得体の知れないものを見るような、何とも言えない顔をしている。