初恋は雪に包まれて



白のシャツに腰からは黒のエプロンを下げ、頭には同じく黒のバンダナ。伊東くんよりも少しだけ背の高い男の人だ。


「こんばんは。」

「あっ、こんばんは。はじっ、はじめまして……。」


こんなところでも噛んでしまう。接客をしている時は何ともないけれど、その他では初対面というものにめっぽう弱い。

そんな私を見て伊東くんは苦笑し、バンダナの彼はにやにやとした笑いを伊東くんに向ける。



「何、淳いつの間に抜け駆けしてたの?」

「いや、多分お前勘違いしてる。」


まぁいいや、と呟いた伊東くんは続けて、奥でいいんだよな?、とバンダナの彼に尋ねた。


そしてその質問に頷いたのを確認すると、私の方を振り返り、目で合図をする。

ついてこい、と目で言う彼の背中を追う。



店内は薄暗く、ところどころ間接照明が置かれている。テーブル席が3つと他にカウンターもあり、一組のカップルが楽しそうに食事をしている。

カウンターの向こう側にはお酒のビンが一面に並んだいた。