初恋は雪に包まれて



小さな接点のようなものを見つけて、また嬉しくなる。


「じゃあ私の部屋に虫が出た時は退治しに来てもらわなくちゃ。」

「それは自分で何とかしろよ。」

「ふふ。だって苦手なんだもん。」


そんな会話をしながらとぼとぼと歩く。すると彼はある店の前で立ち止まった。

ここでいい?、と聞く彼に頷く。


創作和食ダイニングバーと書かれた看板がライトに照らされている。大きな茶色の扉の周りには、沢山の植物が大切そうに並べていた。

通りから一本入ったところにこぢんまりと佇んでいるこの建物はどこか、知る人ぞ知る、といった雰囲気を醸し出している。


その茶色の扉を彼が開けると、中からは何とも良い匂いがした。



「いらっしゃーい、って淳か。久しぶりじゃん。」

「悪い、急に来て。」

「そんなのいいのに。今奥空けるわ。……って、あれ。」


伊東くんは、大きな彼の背中の向こうの誰かと会話をしているが、ここからだと何も見えない。


と思っていると、彼の影からひょっこりと人が現れた。