初恋は雪に包まれて



知らない道を彼と歩く。辺りはもうすっかり暗くなっていて、所々街頭が照らしていた。

気温もずいぶんと下がっているようで、吐く息が白く消えていく。確かに寒いはずなのにどこが胸の奥があたたかい気がするのは、きっと隣に彼がいるからなのだろう。


少し歩いていくと、少し歩いたら大きめの通りに出る。と、そこで気が付いた。



「……もしかしてここって、私の家からそんな遠くない?」

「あぁ、そう。遠くないどころか、隣だろ?最寄り駅。」


えっ、と声をあげて驚く私を、伊東くんはチラッと見る。そして、あの駅だろ、と続けた。


確かに彼のあげた駅は私の最寄り駅だ。そして彼の最寄り駅の隣の駅。

……まさかこんな偶然があるなんて。どうして今まで気付かなかったかが不思議なくらいだ。


「じゃあ伊東くんのアパートから私のアパートまで十分くらい?」

「そうだな。」


すごい、そんなご近所さんだったなんて。言うほどご近所でもないんだけど。