何度も謝る私に、伊東くんは別にいいのに、と返す。
「小山は人一倍気遣うから、疲れやすいんだろ。」
そういう彼こそ気を遣っているのではないかと思うけど、その思いは胸にしまった。
そして思う。
……やっぱり、伊東くんは優しい人だ。
「腹減ったろ。飯行こう。」
「うん、……伊東くん、ここどこ?」
眠っていたため、自分がどこにいるのか把握出来ていない。
窓の向こうに見えるのは見たことのない住宅街で、ここは駐車場だ。左を見ると、看板に月極駐車場の文字が見える。
俺が借りてる駐車場、と彼は答えてくれた。
なんとなくそうだと思っていたけれど、やっぱり。
「あそこのアパートあるだろ。」
「三角屋根の?」
「ん、あれ俺の家。」
彼が指差した先にはグレーの外壁に黒っぽい三角屋根の乗ったアパートがある。
そうなんだ。あれが伊東くんのおうち。
「……飯行くか。」
そう小さく言った彼は、ドアを開け車を降りる。その姿を見て私も彼の後を追った。

