初恋は雪に包まれて



さっきまで俺を見上げていた真ん丸な瞳は、今は瞼に隠されている。

ギリギリまで耐えていたようだが、ついに眠ってしまった小山を見てまた口元が緩む。


瞼を縁取るまつげは長く、頬は真っ白で餅のようだと思う。きっと本人にそんなことを言ったら、その頬を更に餅のように膨らませて拗ねるのだろうけど。


そしてきっとそんな姿も可愛いのだろう、と思う自分もかなり重症なのだろう。



まさかずっと恋い焦がれていた彼女が今俺の車の助手席に座っているなんて。こんな日が来るとは想像もしていなかった。

と言っても本当にただ座っているだけで、彼女でも何でもない事実にまたへこむ。


気持ち良さそうに眠る彼女の髪を撫でる。柔らかい髪からは、ふわっと甘い香りがした気がした。

まだ起きる気配のない彼女は、今日買ったものを大切そうに抱えて幸せそうに眠り続ける。

その姿は何とも愛らしく、また自然と口元が緩むのがわかった。



「……なかなか俺も重症だな。」


そう呟いた俺は、再びアクセルを踏んだ。