また欠伸が出る。
昨日緊張してあまり眠れなかったせいだ、と気付く。それに加え、心地のいい車の振動。
そしてさすが人気のショッピングモールというだけあり、そこから都心部へ向かう道は長い車の渋滞が出来ていた。
「小山、眠いだろ。」
お前わかりやすい、と言う彼に、やっぱり隠せないか、と私は思う。
気を許した相手だとついベラベラと喋ってしまう私でも、眠気が襲うと口数が極端に減ってしまうのだ。彼はそこに気が付いたのだろう。
「寝ろよ。気にしなくていいから。」
「えっ、だ、だめだよ。それに大丈夫。……ちょっと目覚めてきたから。」
「いや、顔に眠いって書いてある。」
……本当かな。だったらその顔に消しゴムを当てたいくらいだ。……なんてバカなことを考えている間も、瞼は自然と閉じていく。
あぁ、ダメなのに。
絶対に伊東くんの方が疲れてる。
なのに私が呑気に寝るなんて、ありえない。
そんな思いとは裏腹に私の意識は少しずつ薄れていく。
伊東くんが私の前髪を軽くすくように撫でた頃には、
私はすでに夢の中へと旅立っていた。

