ついに日本上陸!という大きな文字が目立つそのポスターは、昨年アメリカで公開されたアクション映画で、世界的に有名な映画監督が数年ぶりに手掛けたことで話題を呼んでいる。
向こうでも大ヒットだったらしいそれがついに日本でも公開されるということは、朝のニュース番組でも宣伝されていた。
「あっ、これ、あの監督の?」
「そう、この人好きなんだよ。」
"好きなんだよ"という彼の言葉に、胸が小さく弾んだ。
真っ直ぐな瞳と、手の温もりと、あのキス。
全く関係のない話をしているのに、あの日のことを思い出させるなんて。
……反則だ。
「じゃあ今度は絶対これ観よう。ね?」
子どものような約束を口にする私を彼は小さく笑って、何も言わずに頷いた。
いつの間にか離されていた手を見つめる。
話の流れとはいっても、こんなに簡単に二回目のデートの約束をしてしまうなんて。
その事実に少し照れながら、歩いていく彼の背中を追った。

