真っ直ぐすぎるその言葉は、私の耳へしっかりと届く。
「……いと、くん……。」
「小山、」
彼の大きな右手が、もう一度撫でるように髪の上を滑った。その心地よさに、目を伏せる。
「もう一回言う。」
俯きがちにしていた目をもう一度彼の方へ向けると、彼は真剣な顔でこちらを見ていた。
「小山、俺と、」
「ま、待って!」
普段、あまり出すことのない大きな声が車内に響いた。
こんなに大きな声が出ることに驚いた。目の前の彼を見ると、同じように驚いたような顔をしている。
「あの、私……。」
気持ちが上手く言葉になってくれない。顔に熱が集まる。涙で目がうるうると潤んで、視界が揺れている。
彼はそんな私の様子を見て、ゆっくりでいい、と一言言った。
その言葉に安心し、ゆっくりと言葉を選ぶ。
「……この前、あの言葉の意味を調べたの。」
「うん?」
「伊東くんの、名前の意味。……淳厚の意味。」
私の言葉に、彼が微妙に表情を崩したのがわかった。わかりにくい程度に、口の両端を上げている。

