初恋は雪に包まれて



たどり着いた場所は、住宅街から少し離れた高台のような場所だった。

街を作るたくさんの明かりは、ここから見ると宝石箱のようだ。

私たちの住んでいる街を見下ろせるこの場所は、夜景が綺麗なことで有名な場所なのだと前に夕ちゃんに教えてもらったことかある。

その話の通り、いくつかあるベンチには何組かのカップルが寄り添っていた。


彼はゆっくりと車を停止させると、シートベルトを外し、体勢を変えるように座り直した。

「吸っていいか。」

ダッシュボードから煙草を取りだし、それを私に見せる。それに頷いて見せると、彼はその箱から一本取りだし、口にくわえた。

カチッと音が聞こえ、車内に煙草の匂いが広がる。

気付かれないように隣を見ると、彼は窓の向こう側を見ながら気持ち良さそうに煙草を吸っていた。

それからはしばらく無言が続いた。

何か話そうか迷ったが、彼は相変わらず煙草を気持ち良さそうに吸っているし、特に居心地が悪いわけでもなかったのでそのまま口を閉じたままでいた。