初恋は雪に包まれて



「アパート着いたら電話するから、それから出てこいって言ったよな?」

「……うん、」

ちゃんと約束は守れよ、と彼は続ける。

確かにそうだ。ついさっき、電話をした際に"暖かい格好をすること"と"電話に出てから家を出ること"を約束したのだ。


「危ないだろ。」

「……ごめんなさい。」

そこまで話したところで、また車が走り出した。

夜の道は車が少ない。元々人通りが多い場所ではないが、この時間だと更に減るらしい。時々対向車がぽつりぽつりとくる程度だった。


「とか偉そうなこと言ってるけど、こんな時間に呼び出したのは俺だな。ごめん。」

「……そんな、ううん。」

「寒くないか?」

その問いに首を降り否定をしたが、彼は後部座席の方に体を乗りだしブランケットを取ってくれた。

ふかふかのブランケットはガソリンスタンドの抽選くじで当たったものだと教えてくれた。有り難くそれを受け取り膝にかける。

ありがとう、と小さな声で言うと、彼は何も言わずにこちらに視線を向けただけだった。