初恋は雪に包まれて



仕方なくテレビを消し、すぐ横にある棚からドライヤーを取り出す。コンセントを差しそれをつけると、ドライヤーの大きな音が部屋中に響き渡った。

テーブルの上に置かれた鏡を見ながら髪を乾かしていると、ふと足元に置いたスマートフォンが目に入った。

その画面は着信を知らせていた。



表示された名前を見て、胸が一瞬ドキン、と弾んだ。

まだ髪は乾いていなかったがドライヤーを切り、スマートフォンを手にする。それは未だ着信を知らせるために震え続けている。

思いきって画面をスライドさせる。


「……はい。」

緊張で、声が掠れたように出る。


「ごめん、忙しかったか。」

本当に忙しかったりしたら、出ない。電話とは本来そういうものだ。

だけど優しい彼はそれをわざわざ気にかけてくれる。


「そんなことないよ、……伊藤くん。」


何故こんなに緊張しているのかというと、実は電話をしたこと自体今回が初めてなのだ。