彼のその言葉に、彼女の左目から涙がポロッと一粒落ちた。
頬を伝うそれを彼女は拭おうとはせず、顎まで伝った涙はそのまま冷たい地面へと落ちた。
「私より?」
震える声で問い掛ける。それに彼は冷静に答える。
「……比べるものじゃない。」
「どういう意味?」
「そのままの意味だよ。小山は大切な人だし、お前も大切だと思ってる。」
堪えていた涙は一粒溢れてしまったことによって、もう止められなくなっていた。
大きな瞳からたくさんの涙が流れている。
「でも、それは従姉妹としてなんでしょ?」
大きな声が、静かな住宅街に響いた。
小さく鼻を啜って、はぁ、と息を大きく吐く。
唇を震わせ、でもそれを必死に隠そうとしているのが見てわかった。
「……そうだな。」
微かに目線を下げ、だけどちゃんと彼女を見ようとしている。彼は彼なりに、誠実な態度で示そうとしているのだ。

