力強い、と思っていた瞳が少しだけ揺れた。
口をぎゅっと結び、何かを堪えるような表情をしているが、その大きな瞳に徐々に涙が溜まっているのは、少し離れた私の位置からでも十分わかった。
「淳ちゃんは、」
声が、震えている。
「淳ちゃんは、そんなにその人が大事なの?」
今にも溢れそうな涙を必死に堪えながら、そう彼に聞く彼女は、なんだか切なかった。
……あぁ、人を好きになることってこういうことなんだ。
誰にも取られたくなくて、自分だけを見てほしくて。でもその思いが通じ合うとは限らない。
彼女を見て、恋をするってこういうことなんだと、改めて思い知らされる。
冬の空は深い黒に包まれ、空気は静かに流れる。隠れる雲がないため星は綺麗に見える。
風は無いものの、冷たい空気に包まれている体は徐々に冷えていく。
すぐ近くの街灯だけが、静かに見下ろしていた。
「……そうだよ。」
彼が静かに口を開いた。
いつものように落ち着いた、体に響くような低い声が耳に届いて全身へ広がった。

