「え!?うそ、そんなの知らないわよ!?」
「名前!名前は!?」
そ、そんなにびっくりしなくても……。
「さ、笹野雄大です…」
「「ゆ、雄大先輩!!?」」
せ、先輩達声すっごく大きいですけど…。
こっちまでびっくりするんですけど…。
「雄大先輩って…どんな人なんすか?」
雄大のことを何も知らない翔樹は、興味津々な顔で先輩達に訪ねる。
「雄大先輩はな……凄い人だよ。
去年のキャプテンで、エースだった」
「え、まじすか!」
「本当よ。リーダーシップは凄いし、プレーだって本当に凄いの。
雄大先輩は監督に色々なポジションさせられてたんだけど、どこでも素晴らしいプレーを魅せてくれる。
性格は気さくで話しやすくて…。少なくとも私達3年は全員憧れてるわ。」
…………奈実先輩、持ち上げすぎですよ。
確かに雄大は凄い。凄いけど褒めすぎ!
「そんな雄大先輩に妹がいるのは知ってたけど……。
それが美由だったなんてな…。
言われてみれば結構似てるなぁ」
「似てないですよ!」
あんまり似てるって言われても嬉しくない。
雄大のことを嫌いって訳じゃない。
仲は良いし。
だけど、なんか嬉しくないの。
それが兄妹なのかな…。

