彼とバスケと私






「美由さ、バスケやってたって言ってたけど…
理由とかあんの?」




「あるよ~。

私はね、お兄ちゃんがバスケしててさ。
それを見て、楽しそうだなぁカッコイイなぁって思ったの。

で、気づいたらバスケが大好きになってて、迷わずバスケ部に入部したの」




辛いこといっぱいあったけど、楽しいことだってたくさんあった。


下手だったけど、バスケをしてみてよかったと思ってる。



だって、中学でしていなかったら今の私はいないから…。




「そっか……。バスケしてたお兄ちゃんいたんだなー」



「うん。
去年まではここのバスケ部だったんだよ」



「え!まじで!?先輩達って知ってんの?」



「たぶん知らないんじゃないかなー」




「何を知らないの?」



「奈実先輩!と和也先輩!おはようございます」



急に背後から聞こえた声。


振り返ると並んで立っていた2人。




「おはよ。で、俺達が何を知らないんだ?」



「あ、美由のお兄ちゃんが去年までこのバスケ部だったらしいんすよ!」