そんな疎いだの鈍いだの言わなくてもいいじゃん！
確かにそんな興味がある方ではないけども！
「でもあの杉田春馬がねー。
美由にねー。ふーん」
「な、なによ」
ニヤニヤとこっちを見てくる佐江。
佐江さん？その笑みはなんの笑みですか？
「皆席つけー！授業始めるぞー」
先生が来たので佐江は前を向いた。
佐江の視線から外れたことでなんだか安心して、思わずふぅと息をはく。
なんとなく視線を後ろの方へ動かすと、
翔樹と目が合った。
そのあとも、視線をそらさない翔樹。
どうかしたのかな？
席が遠いから、理由なんて聞けない。
じっと見てる理由は気になったけれど、
さすがにずっと見ている訳にはいけないので黒板に目を向ける。
