「美由おかえり~。なんだったの?」
「ん?あー、なんかね、私と仲良くなりたいって言われたの」
「は?なにそれ。誰に?」
私の答えに、意味わからないという顔をする佐江。
まあそうなるよね。私もだし。
「4組の杉田春馬くんっていう人」
「は!?あの杉田春馬!?」
私が名前を出した瞬間、目を見開いて驚いている佐江。
なにがそう驚くことなんだろうか。
「杉田くんが何かあるの?」
「あんた、杉田くん知らなかったの?
杉田くんはね、顔よし頭よしスポーツよし性格よしの完璧くんなのよ。
女子にも人気高くて有名なのよ?」
「え、なにそれ杉田くんすごっ」
なんでも出来るんじゃん。杉田くん。
てか、有名とか知らないし!
「まぁ美由はそういうの疎い子だけどさ」
「はい?疎いってなにさー!」
「疎いものは疎いのよ。あんた、こういうのは鈍いのよ」

