彼とバスケと私






練習が終わった後もマネージャーの仕事はたくさんある。



ボールの手入れをしたり、コートの掃除をしたり、練習日記をつけたり。


でも、自主練する部員が多いらしいからそれもなかなか進まなかったりすることも多々あるらしい。



今日は渚先輩が練習日記を書くらしいから、
その書き方を教えてもらうんだ。



「美由ー!今から書くからおいで!」



「あ、はい!」



呼ばれて渚先輩の方へ小走りで向かう。



練習日記は、その日のメニューや休んだ部員、怪我をしてしまった部員や気になること、
見つけた課題などたくさん記入しなければならない。



その1つ1つを丁寧に教えてくれた渚先輩。



「渚先輩、ありがとうございました」


笑顔と共にそう伝える。



「いえいえ。またなんでも聞いてね」


「はい!」



「美由ー」



「はい?」



私を呼んでいるのは和也先輩。


なにか用があるのかな??

「どうかしましたか?」


駆け寄って訪ねると、


「パス受けてからのシュートを練習したいから、パス出しお願いしてもいいか?」



とのお願い。



ただパス出すだけでしょ?



「はい、もちろんですよ」



和也先輩はスリーポイントラインからするみたい。


和也先輩とリングの間に立ち、適度な間隔をあける。


用意できたのを確認して、パスを出すと、すぐにリングへ向けて放たれるボール。