「美由、ちょっと」
歌い終わって座ろうとしたら、和也先輩に呼び出された。
そのまま部屋を出て、和也先輩は少しスペースがあるところで立ち止まると、こっちを振り向いた。
「俺、好きな人……出来たよ。新しく」
「え、ほんとですか!?」
和也先輩には、前に告白されたことがある。
ふってしまったけれど、その後も変わらず優しく接してくれていて…。
少し申し訳ない気持ちをずっともっていた。
その和也先輩に好きな人が出来たのならば、全力で応援する。
「実はな…………奈実なんだよ」
「奈…美先輩!!!?」
「ばっ!声でかい!」
い、いや、そりゃびっくりしますよ!
和也先輩の好きな人は奈美先輩……。
…………………すっごくお似合いだ。
和也先輩を一番理解しているのは奈美先輩のような気がするし、ずっと支えてきているんだ。
2人の相性は相当いいだろうし、支えあっていけると思う。
それに…………奈美先輩も、和也先輩を好きな気がするから。
ただの勘だけど。
でも……そんな気がしてならないんだよね………。

