皆でワイワイ騒いだ後、バスに乗り込んで会場から学校に帰った。
後日皆で集まって打ち上げをしようという話になって、そこで解散した。
皆が校門へ向かって歩いて行くのに、1人だけ反対の中庭の方へ歩いて行く背中が見え、私は思わず追いかけた。
気付いたときはすでに遠かったから、小走りで中庭に着くとベンチに1人俯いている姿が。
「翔樹」
声を掛けるとゆっくりと顔をあげ、「美由…」と私の名前をポツリと呟いた。
私が翔樹の隣にそっと腰掛けると、翔樹は口を開いた。
「………俺が……俺が昨日、足をくじいてなかったらさ…勝ててたのかな…。
折角流れに乗ってたのにさ…俺、情けない…」
目に手を当てて俯いている。
そして翔樹はまた、続ける。
「ベンチに戻った後……。
先輩達が頑張ってるの見て、純粋にカッコイイって思ったんだ。
だけどさ、同時になんで俺はココにいるんだって……。足がこうならなければって…思うと悔しくてさ。
1年が試合に出れるだけでも十分だってわかってる。だけど…だけど………!」
翔樹の痛みがジンジン伝わってくる。
私は、この痛みがわかるんだ………。
「ねぇ、翔樹?
ちょっと長くなるんだけど……私の話、聞いてくれる…?」
翔樹がコクンと頷いたのを確認してから、私は話し出した。
「中学生の時の話なんだけどね………?」

