彼とバスケと私








《ピッ》



審判の笛の音が、第三クォーターの始まりを知らせる。




俊ちゃんをチラッと見てみると、翔樹を見て訳が分らないという顔をしてる。




…………俊ちゃん。

私だって、アナタに負けてばかりいられないよ。



私の思考を読んでたのなら、今度はそれを覆す。





普段は本当の兄妹みたいに仲がいいけれど、バスケとなると別の話。



それは俊ちゃんも分かってる。



だから、向こうだって必死。





選手が動いて戦っているのなら、私は俊ちゃんとの心理戦をしてるみたい。



どっちの戦略が勝つか…だね。