彼とバスケと私







「向こうは、まさか1年生を出してはこないと思っている筈です。
だから翔樹はマークされていない。

……もう第三クォーター始まりますね…。
気合いいれてプレーしてきてください!」





皆が、「おう!」と返事をくれる。


「翔樹」


コートに入ろうとする翔樹を呼び止める。



「どーした?」



「………翔樹なら、出来るからね。
プレッシャーに感じることなんてない。
3年生と、精一杯プレーして楽しんできて!」



言葉を言い終えると同時に背中をパンっと叩く。




少し目を見開いてから、微笑んだ翔樹は、


「せっかくの機会だし、楽しんでくる!」


そう言って、コートに入っていった。