彼とバスケと私







一度崩れてしまうと、なかなか戻すことが難しい。




第二クォーターはそのまま離され、終わるころには22点差。







今から10分間のハーフタイム。


この間になんとかしないと………。









でも、まずは………



「すみませんでした!」



戻って来た選手、その他の選手、マネージャー。
全員に向けて頭を下げて謝る。



「何で美由が謝るんだよ!?」




和也先輩が焦ったように言う。




「大きく点数を離されたのは私のせいです。
……私の戦略ミスです」



そんなことないよ


何人もの人がそう言ってくれる。



でも、私は納得出来やしない。







「でも、今落ち込んでいる暇はありません。
落ち込むなら後で落ち込みます。

今は………どう手を打てば状況が変わるか、それを考えてます。
ミスしたばかりですけど、聞いてもらえますか…?」








「当たり前に聞くよ。
ですよね、先輩?」




一番早く反応したくれたのは、翔樹だった。



それに続けて「そうそう」「当たり前だよなー」と皆が言ってくれる。




「美由。一回戦で危なげもなく突破出来たのは、美由がいたからだ。
俺らの実力も、美由が色々指摘し続けてくれたから確実に上がったんだ。

なのに、『美由がミスした!もう信じない!』ってなると思うか?
なるわけないだろ。

だから…、俺らのために、美由の戦略を聞かせてほしい」







「澄斗先輩……」