彼とバスケと私






「もう始まりますよ!用意して下さい!」




選手5人を送り出すと、隣に奈実先輩がきて、



「すっかり皆を動かすの上達したわね」


と微笑んだ。



意味がわからず首を傾げると、また続けた。




「アメとムチの使い分けがうまいわ。
おかげで皆が美由ちゃんを信頼して、常に美由ちゃんの言葉に耳を傾けてる」




それって、凄いことなのよ。




と笑ってる。





実際、そうなれているのかはわからない。




でも、あの奈実先輩が言うんだ。



自信を持ってみようかな…。







審判の笛の音により、第二クォーターが開始される。




私は気合いを入れ直し、試合へと目を向けた。





頑張れ、先輩………!