彼とバスケと私





「なんだよ、2人でコソコソ笑顔で話して! 」


「あ?羨ましいか?いいだろー!」


そうニカッと笑う翔樹は、私の肩に腕をまわしてグイッと自分の方に引っ張る。



「きゃっ」


いきなりでびっくりした私は、頭を軽く翔樹の肩にぶつけてしまった。



てか…近い!近い近い!

翔樹なにしてんの!?



そう思いながらも、顔に熱がこもっていくのがわかる。



「え、笹野さん?」



赤面した顔を見られたくなくて、手で顔を覆っていると、
2人組の1人が私の様子に気づいた。



「美由?どうした?」


そう翔樹が私の顔を覆っている手をどかす。



「あ…あの……えと…」


顔を隠すものがはずされ、赤い顔を皆に見られてしまっている私は、あわあわとしていた。



「美由?顔赤いよ?」


にやっと笑いそう言う翔樹。

コイツ……絶対理由わかってる!!!



まだ引き寄せられたままの私は、軽く翔樹を睨む。