彼とバスケと私





「美由ちゃん、背高くてスタイルいいわね…。
顔も綺麗で羨ましい」


な、奈実先輩、何言ってるんですか!?


確かに身長は166cmと、女子にしては高い。

けど……

「スタイルよくなんてないですよ!?
しかも私なんかより奈実先輩の方が断然綺麗です!!!」


そう必死に言う私に、


「そんな必死に言わなくたっていいじゃない?
私は思ったこと言っただけなんだから。
渚ちゃんも美咲ちゃんもそう思うでしょ?」



「もちろんですよ」



「思わないはずがないです!」



あ、あの、本当にそんな綺麗じゃないですよ…?


先輩達、まず自分の容姿を見てから言ってください。




「話は変わるけど、美由ちゃんバスケしてたのよね?
ポジションはどこだったの?」



「あ、センターです。
でもベンチメンバーですけどね」



中学の時の私のチームには、私と同じくらいの背の子がいた。


しかもその子は小学生の頃からバスケをしてて、
本当に上手で……。
私なんかが叶うはずがなかった。