恋をするのに資格なんてあるか

さて、琉夏とクレールエールに行ってから2週間ほど経ちました。
私はその間にクレールエールの面接を受け、見事採用されました。急展開？私もそう思ったよ。でも、特に何もなかったし…。面接も、人手不足だからって軽く履歴書読んだくらいで直ぐに採用された。はっきり言おう。ぬるい。

うん。まぁ、そんな感じです。
それで、今日は初出勤の日。いつもどおり学校が終わった私は、少しだけ早足でクレールエールへと向かう。今日から星くんと一緒の場所で働けるって思ったら、かなりやる気が出てきた。


「こんにちはー」


面接の時に教えてもらった裏口から入り、挨拶をする。すると、廊下の右奥のドアから誰かが出てきた。


「こんにちは、八柳さん。今日からお願いしますね。」


そう言って優しく微笑むこの方。はい、クレールエールの店長さんです。先日、私の面接官もやって頂きました。


「はい、よろしくお願いします。」


お辞儀をしてから女子更衣室に入り、ウェイトレス服に着替えた。ここの制服はとてもシンプルなデザインで、不必要なほど飾らない感じが、綺麗で清楚で可愛いと思う。なんで人手不足なんだろう？もっとバイト志願者がいてもおかしくなさそうなんだけど…。まぁ、いいや。


私は飲食店のバイト経験者ということで、先輩に軽く教えてもらい、その後は直ぐにホールに入ることになった。


「俺は岡崎湊です。いや〜これでやっとむさ苦しいのが明るくなるね！」


私の教育係になってくださった岡崎さん。なんとなく…いや、明らかにチャラ男系モテ男子だ。
キャラメル色のふわふわとした髪をしている。もったいないのはちょっと身長が低いところ。岡崎さんは私と同じくらいの身長だ。まぁ、私が160後半と、普通よりも高いのにも、低いと思ってしまう原因なんだろうけど。
なんとなく気になって年齢を聞いてみると、大学2年生だと答えてくれた。

とりあえず、大体のことを岡崎さんに教えてもらい、ホールに入った。